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長春日本人教師会

長春にて日本語講師をしている日本人教師による勉強会や活動予定、活動報告などを記載していくブログです。 長春日本人教師会のホームページ→http://www.geocities.jp/changchun_jpt/index.html

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第112回 勉強会報告

以下の内容で勉強会を行いました。


題:「長春における読書会の試みとビブリオバトル」
開催日:2014年12月13日(土)
場所:東北師範大学外国人専科楼 6F会議室


1、出席簿記入、出席者自己紹介、司会挨拶

  • 出席簿記入
  • 出席者自己紹介
  • 司会挨拶
  • 「ビブリオバトル参加者一覧」「発表コメント用紙」「投票用紙」配布


2、「ビブリオバトルを目標とした新たな読書会活動の試み」
岩崎拓也先生(東北師範大学中国赴日本国留学生予備学校)


・2012年度までの読書会について


①目的
日本語で書かれた図書を読み、それについて話し合うことを通じて、日本の大学院での研究に必要なアカデミックジャパニーズとコミュニケーション能力を身に付ける。


②対象
日本語教師、日本関連学部の大学院生、大学学部3~4年生


③参加資格
N2合格、あるいは同等の日本語能力を有する者。国籍、学歴などは問わない。事前に申し込みが必要。


④場所と時間
毎週土曜日(人文系)、水曜日(社会科学系)13:30〜
@東北師範大学外国人専門家楼会議室 


⑤運営方法
1. 最初の1ヶ月は世話役(教師会事務局)が手配。その後は、回ごとの司会と世話役を申し出あるいは抽選で決めておく。


2. 日本語教育を中心とした人文系と経済・経営を中心とした社会科学系に分けて、それぞれ各週に行う。
3. 図書は、当初は世話役が決め、その後は話し合いで決めていく。
4. 費用は無料とし、会場費などの実費はそのつど参加者から徴収する
5. 課題図書は、参加者が自費で購入する購入が難しい場合は、著作権を考慮して各自で複写する。


⑥進行方法
1. 参加者は事前に課題図書を読み、全員が右図のようなレジュメを作成し、人数分をコピーしてくる。
2. 読書会の冒頭でレジュメを配布し、全員が目を通したあとで、それぞれの見出しやその根拠について話し合う。
3. 司会は、「正しい答え」を見つけるのではなく、それぞれの解釈をお互いに批判的に検討できるように進行していく。


・まとめ


 これまでの読書会では、岡崎(2005)の「見出し比較法」 を参考に行っていた。読書会で使用する図書は日本語教育を中心とした人文系と経済・経営を中心とした社会科学系を教師が選定していた。


「見出し比較法」はテクストを理解するには、効果的だった。
しかし、
①到達目標が不明確。
②自らが読んだ文脈や動機の語りができない。
③作成した「見出し」に依存してしまう。 
という問題もあった。


そこで、今学期はビブリオバトルを目的とした読書会を行ってみた。
※ビブリオバトルについてのルールやがいようなどの詳細は下記の公式ホームページへ
(知的書評合戦ビブリオバトル公式ホームページ http://www.bibliobattle.jp/home


・今までの読書会の問題点


①今までは、読書会担当の教師が選んだ本を皆で読んでいた。→主体性の欠落
②学生のプレゼンテーション能力の低さ。→聞き手を意識していない


 上記の二つの問題点が今学期の読書会から行ったビブリオバトルで解消できる。 


・ビブリオバトルで習得できるもの


①良書探索機能
②プレゼンテーション能力開発支援機能
③インフォーマルコミュニケーション支援機能
④自主的な気づき
⑤人格的情報の共有
⑥自己/他者の価値観の外在化
⑦情報の生成や解釈
⑧5分間で話す能力


つまり、
他者に伝えたい本を自分で選び(収集)、
どうすれば他者にその成果を伝えられるか構成を考え(編集)、
自分の言葉で語って(発信)、
その成果を相互に議論する(評価)
ことができる。


・読書会の形式について


第1回:本の選択&印刷(後日配布)、オリエンテーション(自己紹介)
次回の読書会についての相談(概要発表の意義、方法について)
※目次・前書き(はじめに)に注目する。(10分程度)


第2回:各自が選んだ本を読んできて、その概要を発表(内容分析・紹介)次回の読書会についての相談(先生と相談した上で、次回発表箇所(章単位で)の決定)


第3回:各自が選んだ本を読んできて、その概要を発表。(1名)


第4,5回:各自発表と次回発表箇所の選択


第6回:ビブリオバトルのための導入/練習


第7回(最終回):総括・ビブリオバトルリハーサル
12月中旬:勉強会にて、ビブリオバトル本番


初回と最終回以外はゼミ形式で、以下三名の教師が持ち回りで指導。


東北師範大学中国赴日予備学校 岩崎拓也 
吉林華橋外国語学院 池田裕一
長春工業大学 南條淳


・今後の課題


①場所の問題
以前までは、長春市図書館5階ふれあい広場を使用していたが、現在は休館中。来年か再来年に移動移転予定。候補地は吉大、師範大、理工大が候補。来年はここ(東北師範大学外国人専科楼6F会議室)を使うことを考えてもいいかもしれない。


②参加者の問題
読書会を担当していただける教師の不足。


③選定図書の問題
今学期は学生に各自選ばせたが、今後は、以前と同じように教師側が選び、その一冊を中心に読んでいくべきか。


3、中国人学生によるビブリオバトル


①長春大学 梁洵(りょうしゅん)さん
題名:「ジャガイモの世界史歴史を動かした『貧者のパン』」
著者名:伊藤章治
出版社名:中公新書
出版年月日:2008年1月25日


この本は全9章からなる。いつも食べているジャガイモは、いつから食べられるようになったのか。この問いに友人は、唐朝のころ、水で茹でたり、油で炒めたりしたのかもしれないと推測したが、ジャガイモは16世紀に中国に伝来、8、9の唐朝には存在しなかった。元来、ジャガイモは食べられるものとは認識さておられず、ロシアでは「悪魔の実」、ドイツでは「豚の食べ物」と呼ばれていた。その後、ドイツでは規律によって、ロシアでは革命によって、ジャガイモが市民に普及していくこととなった。普段、食べている物が、いつから食べられるようになったのかに興味を持った。


・質疑応答5分

②長春理工大学 陸燕(りくえん)さん
題名:「目からウロコの文化人類学入門人間探検ガイドブック」
著者名:斗鬼正一
出版社名:ミネルヴァ書房
出版年月日:2003年4月10日


この本は全17章からなる。文化とは人間について考える事。第8章の食、味覚に一番興味を持った。例えば、腐敗した生ごみと新鮮なヨーグルトなら、どっちを選ぶか。普通はヨーグルトを選ぶが、それを飲まない人にとっては、どちらも口にするものではない。発酵と腐敗は、文化によって規定されるものだ。音や色なども、文化が全てを決める。何事も自分の目で見ていると思い込んでいる。しかし、文化というフィルターを通して見ているので気づかない。私は日本に留学したことがあるが、日本では鳥の足を食べないということが理解できなかった。毒があるフグは食べるのに、なぜ鳥の足は食べないのだろう。そんな疑問も、この本を読んで、理解できた。


③長春工業大学 孫慧鑫(そんけいきん)さん
題名:「世界中の言語を楽しく学ぶ」
著者名:井上孝夫
出版社名:新潮社
出版年月日:2004年5月20日


みなさんは日記を書いたことがあるか。私はなくしたり、見られたりすると怖いので、つけなかった。だから、別の言語を勉強すればいいと考えた。しかし、最近、他の言語を勉強したいと思う。周りが日本語を勉強しているから、秘密ではなくなったからだ。


この本は全6章からなり、著者が大学生から40代のころにかけての経験をもとに書かれているので読みやすい。目次を見ると、「トルコで英会話」や「喫茶店学習法」など、面白いものがある。その中にある電車内での勉強法であるが、テキストを中心にして、その右に辞書を、左にノートをテープで貼って、三位一体とする。こうすると、辞書が引きやすく、効率良く勉強できる。この本はおすすめである。


・質疑応答5分

④吉林華橋外国語学院 武傑(ぶけつ)さん
題名:「100語でわかる中国」
著者名:アンドレ・チェン/ジャン=ポール・ベトベーズ
出版社名:白水社
出版年月日:2011年12月10日


長年、中国に住んでいる自分には分かるだろうと思っていた。まさか、聞きさえしなかったことがこんなにあるとは思わなかった。例えば、地理は北の京、北京、河川、長江や黄河。歴史は秦、国父の孫文、毛沢東、鄧小平、五四運動、文化大革命。文化は中国語と文字、漢方医学、中華料理、五行、易経、陰陽。経済は農業、工業、五カ年計画。情勢は和諧社会、香港、マカオ、現代建築、鳥の巣など。著者はフランス人である。独特の意見があり、中国人が気づかないところが書かれている。中国理解のためには見落とせない。


・質疑応答5分

⑤長春工業大学 毛月(もうげつ)さん
題名:「毒と薬の世界史ソクラテス、錬金術、ドーピング」
著者名:船山信次
出版社名:中公新書
出版年月日:2008年11月25日


 みなさんも病気になった時には薬を飲むだろう。薬は毒にもなり、毒と薬を利用してきた。第1章、第2章は、古代、中世の歴史で、治療よりも、むしろ宗教に使われてきたことが書かれている。第3章から第5章は、近世以来の毒、薬の発展史である。戦争や犯罪にも使われた。中世ヨーロッパのマンドラゴラに一番興味を持った。マンドラゴラは引き抜かれると金切り声をあげる。人類の無知によって、毒とされたのだ。


身の回りにある薬は神秘的だと思う。


・質疑応答5分

・10分間休憩

・「発表コメント用紙」「投票用紙」に記入


4、先生によるビブリオバトル


①長春市山崎外語培訓学校   山崎 由美子 先生
題名:満面春風 中国ことば旅
著者名:長澤信子
出版社名:鎌倉書房
出版年月日:1991年6月30日


中国語を勉強したくて、1995年から吉林大学に留学した。中国語に興味を持ったころに出会った本である。著者は通訳、ガイド、ツアーコンダクターなどをしていた。人と人との出会いの素晴らしいことを言うが、言葉との出会いも素晴らしい(本の引用)。ここに感銘を受けた。著者は自分にとって神様である。この本はエッセイ式で読みやすい。しびれる言葉がある。添乗員の時、ろうあの人と出会った。その後、彼女は特殊学校に留学が決まったらしい。いろは歌留多も中国語訳のものがあり、授業で役に立ったので、おすすめである。


・質疑応答5分

②長春大学   田畑  美恵 先生
題名:「日本人の忘れもの」  
著者名:中西 進  
出版社名:ウェッジ文庫  
出版年月日:2007年10月31日初版

「負ける」という言葉がある。「負ける」には勝ち負けの「負ける」と、買い物の時に安くするという「負ける」がある。色恋という言葉には、親愛と色彩がある。心身の色彩である。テレサテンの歌にも、「あなたの色に染められ」とある。恋をしている人は美しいものだ。心が伴わない恋は怖いものだ。8世紀ごろ、敬語は親愛を表すものから敬愛へ。そして、尊敬へとなった。しかし、あくまでも、敬語は親愛がなければならない。「あいうえお」には愛がある。「いろはにほへと」には色がある。中国語の「阿姨」にも愛があるから好きだ。愛にあふれた日本語を認識させてくれる本だと思う。


・質疑応答5分

③長春工業大学 南條 淳 先生
題名:「外国語学習の科学―第二言語習得論とは何かー」
著者名:白井 恭弘
出版社名:岩波新書
出版年月日:2008年9月19日

みなさんも英語を勉強したことはあるだろう。ここには、日本語を教えている、勉強している人がいるが、どうすれば効率的に、ネイティブのように話せるのであろうか。この本は、これらの問いに答えようとする本である。第二言語習得法について、この本は教科書的であり、面白い読み方もできる。著者のエピソードを少し紹介する。この本には、お酒を飲んでの外国語学習があり、これは、少し飲んでから勉強するものである。


また、テレビだけを見て育った子どもの事例などがある。これはネグレクトされた子どもが、テレビだけ見て育った、つまり、インプットのみで、アウトプットをしなかったという事例である。


・質疑応答5分

④長春工業大学 柳澤 真史 先生
題名:「日本人が一生使える勉強法」
著者名:竹田恒泰
出版社名:株式会社PHP研究所
出版年月日:2014年9月1日


この本は勉強法とあるが、中身は成功哲学である。日本人の根本的なことが書かれているので、中国人にも読んでほしい。夢とは何かと言われたとき、日本語の「夢」は、英語の「dream」とは違う。辞書によると、「dream」とは、やりたいこと、なりたいもの、手に入れたいとある。「夢」とは、儚いこと(実現できないこと)とある。


したがって、成功哲学書に「夢を具体的に」と言われても、我々日本人は絶対にできないのである。石川遼選手のように、小さいときからプロになるんだと意識していた人もいるが、ほんの一握りにすぎない。一般の人には、やはりできない。一般の幸福の追求について、例えば、仕事で日本人は楽しい仕事をしたいなどと言うが、西洋人にとって、仕事は神から与えられた罰なのだ。彼らは、一ヶ月のバケーションを楽しむための罰を受けているのだ。


・質疑応答5分

・「投票用紙」に記入


5、チャンプ本発表


学生部門:「世界中の言語を楽しく学ぶ」
先生部門:「日本人の忘れもの」


以上

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2013年度 日本人教師会総会・懇親会

以下の内容で、日本人教師会総会・懇親会を行いました。


1.会長挨拶
2.今年度の収支報告
3.来年度会長の選出及び承認
4.新会長挨拶
5.懇親会
以上




2014年度長春日本人教師会総会・懇親会のお知らせ

下記の内容で、長春日本人教師会総会・懇親会を行います。



【長春日本人教師会総会・懇親会】


時間:12月13日(土) 午後5時30分開始
場所: 一番ラーメン
住所: 朝陽区立信街与西康路交差点
最寄りのバス停は「桂林路」駅です。
卫星广场などで乗ることのできる315路のバスが便利です。同志街、西康路の交差点から恒客隆と反対方向(の同仁書店の方角)に歩いて5分くらいのところです。店舗は2階のため、入口の階段から入店して下さい。
費用:100元/人(予定)(一部のみ貸し切り)
メニューの内容、予算の詳細は相談中です。
お一人100元程度の見込みです。
まとめて注文した料理に含まれていない料理を別途注文された場合は、その方のご負担になります。

追記
料理の仕込等事前に行われるため、キャンセルされた方、遅れての参加の方からも参加費をいただきます。

申込:参加希望の方は12/6日(土)までに、事務局にご連絡ください。


 以上

第112回勉強会お知らせ

下記の予定で勉強会を行いますので、
皆様お誘いあわせの上、お気軽にお越しください。



【第112回長春日本人教師会主催日本語教育勉強会】


内 容:「長春における読書会の試みとビブリオバトル」
日 時: 12月13日(土)9:30-11:30
場 所: 東北師範大学外国専家公寓 6階会議室
住 所: 长庆街 与 西康胡同 交汇处
費 用: 会議室費5元
交通アクセス: バス停「桂林路」より徒歩5分。
卫星广场周辺などで乗ることのできる315路のバスが便利です。


【発表者と概要】
岩崎拓也先生(東北師範大学中国赴日本国留学生予備学校)
「ビブリオバトルを目標とした新たな読書会活動の試み」


 以前、長春日本人教師会主催で行われていた読書会を今学期より再開しました。新たな読書会を実施するにあたり、以前の読書会を振り返り、幾つかの修正を図るとともに、ビブリオバトルという要素を追加しました。本発表では、その活動報告を行います。


(ビブリオバトルについては、公式HP(知的書評合戦ビブリオバトル公式ホームページ):http://www.bibliobattle.jp/home))をご覧ください。


【ビブリオバトル参加者】


1、教師会所属者のグループ(順序不同)
山崎由美子先生(長春市山崎外語培訓学校)
田畑美恵先生(長春大学)
南條淳先生(長春工業大学)
柳澤真史さん(長春工業大学大学院)


2、読書会参加者のグループ
日本語専攻の中国人大学生5名
(長春大学、長春理工大学、吉林華橋外国語学院、長春工業大学)


【昼食会】


日 時: 同日 12:00~14:00
場 所: 東北師範大学専家公寓 2階レストラン
費 用:  30元前後
昼食会のみの参加も可能


事前予約は必要ありません。
当日場所が分からない場合は、事務局までご連絡ください。

以上

第111回 勉強会報告

以下の内容で勉強会を行いました。

1、司会挨拶、参加者自己紹介、出席簿記入

2、田畑美恵先生 (長春大学)
「試行錯誤の日本語クラブ」

≪設立~現在までの経緯≫(前任の先生からのメールのまとめ)

 長春大学では、前任の先生がいらした時には日本語コーナーはすでにあったが、赴任してから半年間コーナーを開催することはなかった。そこで、①日本文化に触れる、②会話の機会とする、③学生による自主的な活動の場にする、の3点を目的とし、再開を試みた。しかし、どれも予想外に困難だった。まず、「日本文化にふれる」には実際の“もの” や“わざ”が必要であった。「会話の機会」は長春大学には留学生が多かったので設定はしやすかった。しかし、下級生の参加が多く、上級生が少なかったので内容が伴いにくかった。「自主的な活動」は克服しがたい課題だった。なぜなら、中国の教育現場ではあまり重要視されていないうえ、リーダーシップをとれる学生は重点校に行ってしまいがちであったためである。そのため、手取り足取り日本語コーナーの企画・運営・反省まで指導をしなければならなかった。2回ぐらいして、やっと学生が自分たちで出来るようになると、もう代替わりになる。しかし、下級生の運営能力が不足していたため、また一からの指導が必要であった。


≪三校協力体制の始まり≫
 田畑先生は2013年9月に赴任し、日本語コーナーを引き継いだ。引き継ぎは、書面で行われたため、長春工業大学へ留学生とともに訪問し、日本語コーナーについて勉強をした。そして、10月23日長春大学で日本語コーナーを行った。その際、長春理工大学と長春工業大学の先生方も参加した。これが三校合同体制の始まりである。それから、回を重ねるごとに少しずつ参加する教師の数も増え、定着してきた。

≪現在の日本語コーナーの運営方法≫
・活動時間:中心メンバー(3,4人)が毎週水曜日の水曜日の昼休み。昼食をとりながら。
→クラブ自体は学期に2回、2時間程度を行う。
・活動内容:次回日本語クラブ発表の打ち合わせと準備
・日本語クラブの運営形態:学生主体で司会、進行。教師はゲスト、評価者。
・日本語クラブのメリット:日本語のスピーチの練習、会話・聴解力の向上、日本語学科の学生同士、日本についての情報や紹介の場、日本人との触れ合いの場
・現状の問題点:
①学生の自主性が育たないため、教師が毎回手取り足取り指導する必要がある。
②リーダーとフォロアーの不足と協力者の不足。
③場所の予約がうまくいかず、発表当時の準備時間が取れない。
④勉強の場と考えている教師側の考えと楽しいコーナーにしたいという学生側の希望とのギャップ。

≪発表までのスケジュール≫




3、福井啓子先生 (長春工業大学)
「長春工業大学における日本語コーナーの取り組み
-日本語コーナーの独り立ちを目指して-」

≪日本語コーナーを始めるに至った経緯≫

①日本人と会話をするチャンスがとても少ない。
・会話の授業は週1回である。
・また、留学生は少ないうえに、彼らとキャンパスが離れているため交流の機会がほとんどない。
・2012年に特訓教室を開始したが、希望性のため積極的な学生だけが参加していた。(現在は参加させている。)
②異学年の交流が少ない。
・全学部の1年生は北湖キャンパスで1年間過ごし、2年生になって初めて上級生と出会う。
・学生主体の取り組みが必要→2013年日本語コーナー発足
当時、工業大学の日本人の留学生は一人しかおらず、近隣の長春大学・長春理工大学に協力を要請した。

≪活動時間≫
各学期に3回、曜日不特定、基本的に2時間

≪これまでの活動内容≫
前半後半で内容を変える。後半はグループ会話。→主に勉強
第1回目:2013年10月13日 
中国人教師による学習方法と自分の経験談の話と4年生による学習方法についての話
第2回目:2013年12月7日
日本人留学生による話。(4年生が内容を翻訳)
2年生スタッフが長春大学の日本語クラブの活動を参観→ゲームもあり楽しい印象を得た。
第3回目:2014年3月27日
テーマ:「アニメ」 伝言ゲーム
第4回目:2014年4月26日
テーマ:「歌」 紅白歌合戦のDVD鑑賞、3年生の歌「ふるさと」
2年生スタッフが長春理工大学の日本語コーナーの活動を参観→楽しかった印象を得た。
第5回目:2014年5月29日
テーマ:「ふるさと」 2年生のダンス、夢ト蹲
第6回目:2014年9月27日
テーマ:「初めてのこと」 説明、推測ゲーム
第7回目:2014年10月24日
テーマ:「夢」 お座敷ゲーム

≪運営形態≫
スタッフによる運営
・2013年度:3年生4名、2年生4名
第1回・2回は教師が中心(スタッフの会議の招集、他校への教師・留学生への連絡など)
第3回・4回は3年生が中心 
第5回は2年生が中心
・2014年度:1回につき3年生3名と2年生2名の5人のグループ3つが持ち回りで担当。
第6回・7回:3年生中心
今後:前学期は3年生スタッフが中心、後学期は2年生スタッフが中心

≪日本語コーナーのメリット≫
・日本語での会話の機会が増加した。
・異学年間の交流・協力の場面の増加。

≪三校の協力≫
メリット:
色々な日本人(の話し方)と触れ合うことが出来る。
他校の活動を知り、いいところを取り入れることが出来る。
デメリット:
日本人教師の負担が大きい。
長春工業大学と長春大学と長春理工大学の日本語コーナーの開催日が被ったり近くなったりすることが多く、日本人教師は連日参加しなければならない時がある。

≪現状の問題点と今後の課題≫
ゲームや自分たちの楽しみ中心であり、小学校のお楽しみ会状態。
会話能力の低い学生は不参加。
中国人教師との関わりが希薄である。
学生に必要性を自覚させる。
日本語コーナーの意義を再確認。
スタッフの自覚を育てる。

≪質疑応答≫
Q:スタッフの決め方はどうのようにされたのか。
A:まず、教師で2人決める。そして、その学生2人がそれぞれ2人を任命する。また、学生6人が3人を任命する。

4、グループごとに日本語コーナーの現状報告

≪Aグループ≫

 それぞれの大学でも日本語コーナー(それに準ずるもの)は存在している。しかし、問題は大学同士でその存在を知らないことにある。そのため、これからは互いに連絡をし合うといいのではないか。その連絡は学生が行うことで、日本語を使う機会が増えるのではないか。


≪Bグループ≫
 このグループでも日本語コーナーが存在し、文化紹介などを行っている。しかし、学生と教師とで求めているものが異なっている。学生は今の日本の若者の生活や現在のライフスタイルを知りたいが、教師が教えようとしているのは茶道・華道などの伝統文化である。日本語コーナーでは「何を求めるか」がキーワードになると思う。それによって、各大学の特色が出てくるのではないか。


≪Cグループ≫
 現在持っている「モノ・技」でいかに会話につなげ、会話の機会を増やすか。また、開催が決まれは教師会で情報交換をすればいいのではないか。

≪池田先生のまとめ≫
 日本語コーナーの意義・目的を生徒と再確認すること、教師同士の情報交換、活動資料の引継ぎが大事だと感じた。

以上

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