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長春日本人教師会

長春にて日本語講師をしている日本人教師による勉強会や活動予定、活動報告などを記載していくブログです。 長春日本人教師会のホームページ→http://www.geocities.jp/changchun_jpt/index.html

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第110回 勉強会報告

以下の内容で勉強会を行いました。


1、司会挨拶、参加者自己紹介


2、稲垣睦実先生(長春理工大学)
「中級者への精読の授業の流れについて」


 稲垣先生が初めて担当される大学3年生への精読授業の現状についてご発表いただいた。


担当クラスと教材


担当学年:3年生(一クラス20人×2クラス)
・週3回精読の授業がある。
・一つのクラスは予習の習慣があり、もう一つのクラスは予習の習慣がない。


使用教材:
1、「日語精読 第2冊目」(外語教学与研究出版社)
・単語は1ページに35個ほどありそれが4~6ページほどあるので、一つの課の単語数は合計140~210個ほどある。
2、文法プリント


≪精読授業の流れ、単語確認≫
1、単語を読ませ、発音確認
2、教師が主導し単語のリピート
3、生徒が主導し単語のリピート
4、単語の意味確認
(意味、使い方、類義語との比較、プラス・マイナスの意味、漢字が中国語と同じであるが中国語と日本語の意味が違うものの説明 EX:交流)


≪精読授業の流れ、本文と文法≫
1、ひと段落ごとに生徒に音読させる。その際、発音、イントネーション、区切りなどを指導。
2、本文での言葉の意味、指示語を確認しながら、内容を深く確認していく。
3、新出文法が出て来たら、新出文法を教科書の文法解説と副教材のプリントを使い説明する。 そして、例文を作らせる。
4、2と3を繰り返す。


≪宿題、文法と本文≫
文法の例文を作らせ、提出させる。


≪精読授業の流れ、練習問題≫
1、文法プリントを使い、第1問だけなど区切りのいいところまでの文法説明をする。
2、教科書の文法問題を解く。その際、文法の意味を確認はするが、文法説明はしない。
3、1と2を繰り返し、問題を最後まで行う。


≪宿題、練習問題≫
内容を要約させ、提出させる。そして、本文の範囲を決め、暗記させる。後日、暗唱テストを行う。


 ※以下質疑応答

Q1:単語について、精読授業でほかにするべきタスクや練習などはあるか。


A1:私のクラスでは、単語は音声データを渡して自習させ、授業時にテストをする。その他、共起表現など、授業中に確認する必要のあることは授業中にやるが、基本的に授業中に単語の勉強はやらない。


A2:ディクテーションは有効なのでやったほうがいい。


A3:Ipadなどの電子機器を使いフラッシュカードを作成すればいいのではないか。
 →中国の教室ではチョークを使用することが多いため、Ipadが汚れやすいので、使用に適さない。


Q2:授業中に即席で例文を作らせたほうがいいのか。


A1:文や写真などで状況を与え、それに応じた例文を作らせるのはとても有効。


Q3:文法を使った例文作文の宿題を確認している際、生徒の動詞の活用に間違いがある。その際には、活用を直すべきか。また、単語を説明している際に用法も抑えておくべきか。


A1:精読の授業で活用を間違っていたのなら直す必要がある。その際、すぐに教師から答えを言わずに、「えっ?」など疑問を表すだけにして、学生自らが気づくようにすると良い。


A2:その授業・タスクの目的にもよる。発話が目的の場合は、直しすぎると発話のテンポを殺してしまうが、正確性が目的の場合はきっちり直さなければならない。


A3:授業の目的をまずはっきりさせる必要がある。また、他の授業との兼ね合いも大切。それができていないと学生の時間を浪費することになる。
 →授業間のアーティキュレーションが大切ということ。


A4:昔は正確性が重視されたが、その後、発話が重視されるようになった。しかし、発話を重視しすぎると正確性が育たないことが分かったので、今は形式に注意しつつ発話も大切にするというフォーカスオンフォームズ(focus on forms)が、重視されるようになった。


Q4:発音・イントネーションを確認する際、軽い説明でいいのか、それともある程度時間を取って指導するべきか。


A1:予習として、文章の音声を聞いて来させる。そうすると、授業中に学生が発音を間違えても、「え?」などの疑問を教師が提示するだけで、学生自らに発音の間違いに気づかせ自発的に訂正させることができる。もし、その学生が気づかなくても周りの学生がフォローできる。教師が発音を訂正する場合は、まず、口頭で行う。それがだめだったら、次に黒板で行う。その際はあまり追求しすぎないことが大切。また、プロジェクターでPPTに書いた文を写し、マウスポインターを使ってアクセントやイントネーションを書き発音を訂正するという方法もいい。学生は自分の発音がわかるので満足感がある。


Q5:文法説明の際、文法解説からの例文づくりという流れではどこか味気ない気がする。もう少し何かをしたほうがいいと思うが、何をしたらいいかわからない。


A1:インターネットでコーパスを利用するなどして実用的な例文を作らせると学生が喜ぶ。


・池田裕一先生(吉林華橋外国語学院)
「上級クラスにおける文法指導の一試案」


N1やN2レベルの文型を効率的に習得させるにはどうすればいいのか。池田先生が普段授業で実践している方法をご紹介していただいた。


1、学生に「授業での困難点」というアンケート調査を行った。その結果、文法に関して苦手意識を持っている学生が多いことがわかった。


日時:2014年10月15日(水)
内容:学生による教師評価
方法:自由回答式
対象:吉林華橋外国語学院 日本語学部 3年生 26名
結果:(左から順に、順位、項目、回答数)
1位、文法、18人
2位、文章理解、8人
3位、教師の発話、7人
4位、単語学習、6人
5位、授業進度、6人
6位、副詞、4人


2、学生の文法に関するコメント 
・自分が表現したいことが正しく表現できない
・類似文型が多すぎて、どれを使えばいいかわからない
・意味は理解できても、例文を作ると必ず間違えてしまう
・文法の意味がはっきりわからない
・文法説明が日本語だからわかりにくい


3、学生の誤用例  -意味用法の理解不足-
○ 運動かたがた、(  公園に行く  )ことを日課としている。
×  運動かたがた、(  散歩の  )ことを日課としている。 
(助詞の間違い)
×  運動かたがた、(  宿題する  )ことを日課としている。
(文法の間違い)
4、文型の導入・指導試案(Vかねない) 


①場面・状況の提示:学生に問いかけながら、導入文を引き出す。
例)
場面:会社
状況:顔色が悪い男性社員を見て、噂話をする女性社員
例文:『疲れすぎていて、鈴木さんは倒れかねない。』
   


②意味・接続の確認:基本事項を簡単に確認する。
例)
例文: 『疲れすぎていて、鈴木さんは倒れかねない。』
意味: 良くない事態が起こる可能性がある (Vするかもしれない)
接続: 倒れ(ます) + かねない 

③理解の確認:学生への問いかけにより、学生の理解度を測る。
T: 窓を開けたまま寝たら・・・?  
S: 風邪をひきかねない。
T: いつもたくさんお金を使っていると・・・? 
S: お金がなくなりかねない。
T: お酒を飲んで酔っ払うと・・・?  
S: 問題を起こしかねない。

④制約の確認:間違った例文を提示することで学生に文型の制約を理解させる。
◎ 台風が来ているから、明日は雨が降りかねない。
◎ 明日は雨が降るかもしれない。
×    台風が過ぎれば、天気が良くなりかねない。
◎ 天気が良くなるかもしれない。
◎   勉強すると、成績が悪くなりかねない。


◎ 宿題を出さなかったら、先生に怒られかねない。
◎ 働きすぎると、体調を崩しかねない。
×    日本語を使わなかったら、上達しかねない。


⑤注意点の確認:誤用を犯しやすいポイントを提示して注意を喚起する。
・お酒を飲んで、車を運転したら、事故を ( 起こし / 起こり ) かねない。
(自他動詞)
・しっかり勉強しないと、試験に ( 合格し / 不合格し ) かねない。
(文法の制約)


⑥運用練習:自由度の低いタスクから、自由度の高いタスクへ段階を踏ませる。
接続: 朝寝坊したら、授業に_____かねない。
動詞: 鍵を開けたまま外出したら、泥棒が_____。
語彙: 試験でいい成績を取らないと、_______。
応用: _________たら、お腹を壊しかねない。
応用: ________と、__________。


 各文に注意点を記すことで、作業前に学生の注意を喚起できる。また、誤用を犯したとしても、原因の究明が容易である。


5、今後の課題
類似文型をどの程度まで提示するか。
ニュアンスの違いをどこまで説明するか。
文法の運用能力をどうやって高めるか。


6、授業に使える便利なイラストサイト
日本語教育のためのイラスト教材   http://skrykk.blog.fc2.com/
Japanese Teaching ideas.com  http://www.japaneseteachingideas.com/
いらすとや   http://www.irasutoya.com/


 ※以下、コメント


C1:文型を提示する際、それの使用頻度やそれが話し言葉よりなのか書き言葉よりなのかや、使用されやすい場面・状況なども合わせて提示する必要がある。また、理解文型と使用文型もきちんと分けて教えたほうがいい。


C2:文型練習を教師が作るのは、三年生の学生に対して少し優しすぎるのではないか。また、段階を踏んで説明するのも少し優しすぎるように思う。


・渡辺雄二先生(長春理工大学)
「初級会話クラスの授業の進め方−効果的な指導法について−」


ゼロ初級の学生を対象とする会話授業で、実践できる活動を紹介していただいた。


1、初級会話クラスについて
 レベル:初級
 クラス人数:20名 2クラス
 教科書:「みんなの日本語」「日语精读」
 教室設備:プロジェクターがなく、移動できる机と椅子のあるシンプルな教室。


2、実践しているタスク


・五十音表を使った穴埋めクイズ。
手でランダムにひらがなを隠し、学生に答えさせる。

・「いろは唄」を使った、五十音の発音練習。
・基本的なあいさつの導入。


・ひらがなの練習
清音➔濁音➔促音➔長音➔拗音というように、簡単なものから複雑なものへと順をおって練習させる。また、日常で使う意味のある語句を使い練習する。


例)「あ行」から「さ行」:「あお」「えき」「かさ」「すし」など


 ・促音の練習
下記のようにミニマルペアを使い練習する。
「ぶか/ぶっか」「かさい/かっさい」「おと/おっと」「ひやく/ひゃく」「じゆう/じゅう」「びよういん/びょういん」「おもちや/おもちゃ」また、「ふっけん」「せっこう」「ちょうしゅん」「しゃんはい」などのような、学生の出身地の地名を優先的に練習する。


・単語の並び替えクイズ
「り」「に」「お」「ぎ」→「おにぎり」


・単語の十字穴埋めクイズ
    さ         み
  あ ? び     か ? い
    ら         い

・一見、ランダムで無意味に見えるひらがなの集合体の中から意味のある単語を発見するクイズ
     

・ビンゴゲーム(数字の練習)


  ※以下、質疑応答


Q1:初級授業で有効なタスクを紹介していただけませんか。


A1:①全体でミニマルペアの二択クイズ。
   ②全体で再度練習。


A2:ディクテーションをした方が分かりやすくて良い。文字の癖を直すのにも効果がある。


A3:数字の3の倍数で順番に速く言わせる。


A4:PPTアニメーションを使ったひらがなの虫食いパズル。


A5: だんだんと難易度を上げていく数式ゲーム。
① 1  +  4
② 1  +  4  = ?
③ 13 +  4  = ?
④ 13 ×   4  = ? 


5、事務連絡、今後の予定、アンケート回収、会費の徴収など


以上

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第109回 勉強会報告

以下の内容で勉強会を行いました。

1. 司会挨拶、参加者自己紹介

2. 平野宏子先生(吉林華橋外国語学院)
 「日本語と中国語の作文の書き方について」

 学習者が感じる日本語作文と中国語作文の差異をアンケートで調査し、日本人教師が作文指導の際に出くわすであろう様々な問題を提示された。

 中国の日本語教育現場において作文の授業は日本人教師が担当することが多いが、その際、日本人教師の中国語能力は問われないことがほとんどである。作文指導時に日本語教師の中国語知識が不足していると、学習者の誤用の原因が分からない、教師の説明が理解されにくいといったことが出てくる。このことから、作文授業は中国人教師が担当したほうがいいのではないかという意見もある。

 では、どういった点で日本人教師は作文指導に苦しんでいるのか、主な原因は以下の四点である。

1、体験談の細かな記述や具体例が少ない。
2、結論がみんな似ている。特に、社会問題に対しての解決策は、
 「政府がこうやったほうがいい。」と書くことが多い。
3、語彙、表現が仰々しい。
4、最後に「みんなで頑張ろう。」といった内容を書く。

 作文受講を通して、学習者自身も中国語での作文と日本語での作文は書き方が違うことを認識したようである。今回は学生に対する意識調査により、以下の大きく二つの点について言及がなされた。

 一つ目は、
日中の作文教育では書かなければいけない内容がそれぞれ違うこと。
 二つ目は、
日中の作文教育ではそれぞれの教師の指導のポイントが違うこと。
 
 アンケート調査は吉林華橋外国語学院の日本語専攻の3・4年生161名を対象に、37項目について回答してもらった。37項目の質問を日本語作文と中国語作文の場合に分けて聞き、学生が以下の差異・特徴を感じていることがわかった。

・中国語作文の主な特徴
 1、偉人の言葉を引用することが良しとされる。
 2、諺や美しい表現などを多様に使い、
   歴史的な大きな視点から書くことが求められる

・日本語作文の主な特徴
 1、具体的で読み手がわかりやすく書くことを良しとされている。
 2、事実を事実のまま書き、
   自分の正直な意見を書くことを求められている。

・日本語作文・中国語作文、主な共通の特徴
 1、個人的体験や感情をよく表すことが求められている。
 2、構成を考えたり簡潔に書くなどと いった読み手を
   意識することが求められている。

 また、インタビュー時に、中国の作文教育についても質問し以下の返答を得た。


 中国人学生は中学校と高校の語文の授業で作文を学ぶ。そして、大学入試前の3か月間は2日に1回作文の練習をすることもある。作文の指導法は教師が生徒に単語や表現を与え、それを用いて生徒が作文を書き、教師がそれを添削するというもの。また、教師は孔子など中国の偉人の言葉を積極的に教えているので、その影響が学生にも大きい。

 上記のような中国の作文教育が以下のように中国語作文に影響を与えている。

・日本語作文・中国語作文の差異

 1、日本語作文は具体的に書き、中国語作文は簡潔に書く。

 2、日本語作文では社会問題の解決策に対して具体的に書くが、
   中国語作文では具体的内容には触れない。

 3、日本語作文では面白い内容が良いとされるが、
   中国語作文で面白い内容を書くとリスクがある。
   (大学入試の評価基準の影響)

 4、中国語作文では美しいことを書くのが望まれる。
   そのため、偉人の言葉などをよく引用する。
   身近な人の言葉を書いても意味がない。
   また、中国の大学入試では偉人の言葉の引用に
   点数が配分されている。

 5、日本語作文では正直な意見を書いていいが、
   中国語作文では社会に対する不満など
   悪影響がある場合があるので書いてはいけない。

 6、日本語作文では、説得力を補うための具体例として
   例文や数字を使うが、
   中国語作文では「多くの人」などの曖昧な表現も許容される。

 7、中国語作文では、指導教師の考えに合うように書くか否かで、
   作文が評価されやすい。
 
 上記のように日本語と中国語での作文の違いが起こる原因について、ある学生は、日本では「人間関係、性格、心情」に気を配りながら書く事を求められ、中国では「祖国の賛賞」を求められるからだと、述べている。
 中国の作文教育では、常に大きなことを意識し、作文の結論を「みんなで頑張ろう」など、国や社会の為になる言葉で締めくくることが良しとされていることが分かった。

3、南條淳(長春工業大学)


 「グラフを用いた作文授業案についてのワークショップ」

 今回は、グラフを用いた作文授業案を考えるため、以下の用法で活動を行った。
 1、中国の日本語教育でグラフを作文授業に用いる意義を説明。
 2、四班に分かれてのワークショップ形式で、
   グラフを用いた効果的な作文指導案を考える。
 3、各班の作文指導案をポスターで発表する。
 4、各班の代表者が口頭で発表する。


 まず、最初に中国でなぜグラフを作文授業に用いる必要があるのかを「教育大綱」を引き合いにして説明を行った。
(昨年度の岩崎先生の発表を再掲、復習を行った。)


 中国には教育部が定めた日本語専攻大学生用の指導要領の
「教育大綱」というものがある。教育大綱では、主に以下のことが定められている。


 ・平均的な授業時間数や開設するべき授業内容。
 ・具体的な到達目標。
 ・語彙や文型リスト。


 日本語専攻大学生に対しては、「手紙文」「調査報告書」「説明書」「論文」などの作成能力が求められている。中でも、論文作成にかかわるものが中心である。よって、「教学大綱」における作文授業の目指すところは「論文の作成」であると言える。そして、そのために学生が養わなければならない能力は以下の四つであると定められている。


 ①文法能力
 ②正確に他人の観点を引用・評論する能力
 ③自分の文章を修正する能力
 ④資料分析能力


今回は④の資料分析能力に注目し、グループワークでグラフを用いた効果的な作文指導案を考えた。全体を四班に区分し、各班は配布された資料の中からどのグラフを使って授業をするのかを相談し、指導案を作成した。以下に各班の指導案を掲載する。

 ≪♠班の指導案≫
 使用グラフ:「各国の高校生の留学志向」

1、グラフの読み方。(5)
2、問題点を読み取らせる。(5)
3、問題点を発表させ、クラスで意見を共有する。(10)
4、(3)をもとに討論し、自分の意見を発表させる。(10)
5、自分の論点をまとめ、方向づける。(30)
 (作文の材料・構成などを記した「作文メモ」を作成させる。)
6、以上をもとに作文(論文)を書くよう指示する。(30)
 (字数は400字) 

 ≪♦班の指導案≫
 使用資料:「各国の高校生の留学志向」
 目標・目的:グラフを読み取ることが出来るようになる。

1、組別にグラフを読み取り、描写する。
2、海外派遣と受け入れ生を描写する。
3、要約を発表・板書して、グループディスカッションをする。
4、全体意見交換を行う。
 (グラフから推測しての自分の意見を発表する。)
5、作文推敲を個人で行う。
 宿題:補足の資料、自論の展開に必要な資料を探してくる。

 ≪♥班の指導案≫
 使用資料:「結婚年次別に見た、恋愛結婚・見合い結婚の構成比」

1、課題提示 
  ・グラフを示して関連資料を宿題として学生に探させる。
2、グループディスカッション 
  ・持ち寄った資料を見せ合い、グループで議論させる。
3、発表 
  ・ディスカッションの内容発表
4、教師のコメント
  ・教師による評価・コメント
  ・教師が用意した資料を説明
5、ディスカッション
  ・日中比較・背景考察・そもそもの結婚のもつ意味などを議論
6、作文 
  ・上記の中から自分の考えをまとめて作文
7、評価 
  ・内容・表現・文法を評価
8、再提出
  ・学生自身で自分の作文を書き直し、提出する。
  ・教師がそれを再評価する。

 ≪♣班の指導案≫
 使用資料:「結婚年次別に見た、恋愛結婚・見合い結婚の構成比」
 目標:グラフを読み取らせ、変化を表す表現や引用の仕方を学ぶ。
    最終的に結論をまとめる。

  1、導入(15分)
  2、グループワークでグラフの読み取り(10分)
  3、クラスで共有(5分)
  4、関連語彙の確認(15分)
  5、考察(45分)   
  ・原因・焦点を絞り、クラスで共有する。
  ・必要な資料を配布する 
  宿題:根拠となるデータを収集しまとめる。

以上

第108回 勉強会報告

以下の内容で勉強会を行いました。

1.司会挨拶、参加者自己紹介

2. 家田修先生(長春理工大学)
タイトル:文学教材『すみれ』の一つの読み方
 まずは、長春理工大学における精読授業について、ご説明いただいた。1.2年精読は中国人が担当、3.4年生精読は日本人が担当している。

教科書は『日语精读』(宿久高周导夫主编)を使用している。
配当時間は45分2コマ×4(ただし、毎時慣用句学習を入れている)
授業は、新出語彙→本文読み→文法→読解→内容のまとめ→教科書練習問題という流れで行っている。

 今回の教材は『日语精读第三册』第21課「すみれ」(辻邦夫『花のレクイエム』から)を使用。

 文学を教材として使用する場合に家田先生が注意されているところは、文学的表現、言葉の豊かさ(特に形容詞・形容動詞、動詞、名詞、副詞等)や言葉のつなぎ(特に、接続詞、接続語、助動詞、助詞等) 、豊かなイメージをどう捉えるのか、例えば、クライマックスとは、一番大きな主人公の心理的変化が行動によって示された場面であり、これをどう捉えるのか、といったところであると、ご説明いただいた。

 物語の構成、特に冒頭分はとても大切な部分であり、「すみれ」の構成は時間によって展開しているとご説明いただいた。(作品によっては、場面(場の移動、人物の登・退場、大状況の変化等)や、主人公心理変化等から始まるものもあるとのこと。)

 次に、登場人物の把握と状況把握を、①時、②所、③人物の置かれた状況、性格等などから読み取りを行った。そして、展開部での起こった出来事をまとめた上で、一つ一つの文からわかること(主人公の心理や伏線等)を、本文を読みながら確認していった。

<質問>
Q1.日本語学習者に伏線や背景、人物の感情などを気づかせる為に行っている事は何か。
A1.要所要所で、学生に質問を投げかけて、考えさせるようにしている。例えば、「アキのお母さんについては、何かありますか?」と問いかけると、学生自身が読み返し「あれ?書いてない!?」と気付くので、「じゃぁ、お母さんはどうしたのかな?」と再び問いかけて、学生に考えさせる。


Q2.今回の作品を終わらせるのに何回くらい授業を使っているか。
A1.大体3回くらい。新出単語の導入、人物の把握、背景などをやっていると、どうしても90分(45分×2コマ)を3回くらいになる。


3. 及川琢英先生(吉林大学)
タイトル:「『満洲国』期における日本語教育」

 発表では、
1)「満州国」とは何か
2)「満州国」の日本語教育方針
3)教員と学習者
というように3つの部分に分けて、説明していただいた。

 「満州国」とは何かということに関しては、
当時の日本の軍事力を背景とした傀儡国家であり、来るべき戦争のために資源供給地とする目的があった。なぜ、傀儡国家という形式をとったかというと、第一次世界大戦後の植民地不拡大という世界的な流れや、日本は中国の領土保全を認めた条約を結んでいたことが挙げられる、と説明いただいた。

 次に、「満州国」の日本語教育方針については、
「満州国」公文書における日本の地位を確認した上で、日本語の地位の確認を行った。日本の地位も日本語の地位も当初は平行、並列のような関係であったが、次第に上下関係が明確になり、日本語は第一の国語として設定されたということを、資料を基にお示しいただいた。
 また、当時の初等、中等、高等教育における教育方針を概観し、当時は日本語での直接法による日本精神の伝播を図っていたことを確認した。当時の日本語の授業数は年齢が上がるに従い、日本語の授業数も多くなっていたことがわかった。

 最後に、「満州国」の教員と学習者についてでは、


日本人教師の数の割合は全体としては少ないという状況から直接法の実施は困難であった。そこで、速成法という教授法が登場したものの、政府は直接法での教授に固執していたとの事だった。

 当時の日本人教師についての評価はプラスの評価とマイナスの評価がそれぞれ存在していた。「満州国」の教育に対抗する存在として、中国人愛国的教師の存在があった。

<質問>
Q1.当時の大学教育でも、日本語が必要だったのか。
A1.授業が全部日本語だったので必要だった。そもそも、日本語が大学受験に必要だった。軍事学校なども、同様に日本語が必要だった。

Q2.昔の長春大学とか理工大学には、当時は大きなトウジョウ(工場?飛行場?)が有ったのか。
A2.実業関係の面と帝国大学という事を考えると、有ったと考えられるが、分からない。

Q3.では、日本語を勉強していないと大学教育を受ける事が出来ないのか。
A3.はい。大学に行く人自体も少なかったが、初等教育の時から日本語教育が始まり、上の教育機関に行くには、相当日本語が出来ないと進学できなかった。

Q4.偽満州皇宮に行くと分かるが、管理職、公務員になると、日本語で文書を作ったり、やり取りしたりするので、日本語の能力はとても必要だったのだろうか。
A4.はい。36~7年以降、日本語検定試験という資格が有り、この資格がないと公務員になれないと言う状態だった。

Q5.当時の公務員は、日系、中国系、モンゴル系で割合が多かったのはどれか。
A5.具体的な割合は分からないが、日系は半分もいなかったので、日系以外が多い。やはり、農村や地方には、日本人が居なかったので…。

Q6.現在の日中関係の報道を学生がどう受け止めているのか、日本語講師としてどうすべきなのか、と考える事が多い。以前の職場と比べると、学生の親戚が満州国時代に日本語を勉強していたり、通訳をしていたから日本語を勉強しようと思った学生もいるようだ。歴史面、政治面など大きな揺れがあるが、私たち日本語講師個人としては、しっかり授業をし、学生と交流を持って行くしかないのだろうか。
A6.(家田先生)きちんと、「民間と国家は違う」と認識することが大事。私たち日本語講師が国家になる事はないのだから…。


(及川先生)満州時代、特に満州国崩壊の時に、現地の人と上手く交流を取れていた人々は、殺されずに逃がしてもらったと言う事もあったので、個人的な関係というのは「危機的な状態」になった時に意味が出てくるのだと思う。


(家田先生)そういう風に生き残れた日本人は沢山いるけれど、だからと言って「日本は過去に中国に対して酷い事はしていない!」と思いこんで勘違いしてしまうような日本人になってはいけない。

4.事務局連絡、参加費徴収など

参加人数:21人

以上

第107回勉強会報告

 以下の内容で勉強会を行いました。

1.司会挨拶、参加者自己紹介

2.藤間貴子先生
(独立行政法人日本学生支援機構 大阪日本語教育センター)
OJLEC日本語スタンダードの活用について」

 OJLECとは大阪日本語教育センターの略称であり、
まず初めに、その設立の歴史、日本語教育機関の変化、
中国との関係などについて、1950年代から現在までの
日本語教育の流れを概観しながらご紹介いただいた。

 次に、大阪日本語教育センターが日本語スタンダードを
作成することになったきっかけについてお話しいただいた。
世界の流れとしてはヨーロッパ言語共通参照枠が
1996
年に発表され、2001年に正式に公開され、
複言語主義に基づくヨーロッパの外国語学習、
評価などに使われていること、
日本の教育機関では、
東京外国語大学留学生日本語教育センター
JLC日本語スタンダーズ」(2006年~)
国際交流基金「JF日本語教育スタンダード2010
大阪大学の取り組み、国士舘大学「外国語ポートフォリオ」
などがあり、言語学習と評価の共通の枠組み作成が
ヨーロッパや日本で広がっていることをお示しいただいた。

 これらを踏まえて、大阪日本語教育センターが
2010
年から取り組み始めた「OJLEC日本語スタンダード」と
Can Do
の作成、さらに教科書『留学生のための日本語初級』の
刊行についてお話しいただいた。
特にCan Do(~ができる)という形の能力記述尺度を
利用して、教師と学習者自身にチェックシートに評価を
記入してもらうことで、
どの項目に対し、学習者の自己評価が低いのか、
教師・学習者間の評価のずれがあるのかなどが
分析できるようになり、問題意識が明確になったり、
授業活動にバリエーションが増えたり、補足すべき教授内容や
教材が見えてきたといった利点が挙げられた。
これと同時に、初級・中級を通して教科書の分析がなされ、
授業タスクを追加した教科書改訂が行われ、
現在に至っていることをお話しいただいた。

 藤間先生のお話しから、教育スタンダードを作成し、
それにそって客観的評価を行うといった作業を繰り返すことで、
学習者と教師、教育機関の求めるもの、不足している部分が
捉えやすくなり、教育向上が図りやすくなることを学んだ。

3.藤崎泰典先生
(独立行政法人日本学生支援機構 東京日本語教育センター)
「通訳訓練の日本語教育への応用実践」


発表では、
1)通訳の種類、2)通訳のスタイル、
3)通訳トレーニング法、4)通訳を使った言語学習活動
に分けて、説明していただいた。


通訳の種類に関しては、
1)会議通訳、2)放送通訳、3)ビジネス通訳、
4)司法通訳、5)通訳ガイド
などがあることを、それぞれの特徴、
難しさとともに教えていただいた。

 通訳の際に気を付けることとしては、
1)ペンは使い慣れたものを2本準備すること、
2)事前にスピーカーと話す機会を持つこと、
3)スピーチ原稿を早めにもらうこと、
4)時にスピーカーの話を割って通訳を行う勇気を持つこと、
5)チームで通訳する場合は数字やリストなどの情報を
  手渡すなどの助け合いが有効であること
などの実践的なノウハウについても教えていただいた。


通訳のスタイルに関しては、
1)同時通訳、2)ウィスパリング、
3)逐次通訳、4)サイト通訳
があること、

 それらの技術を身に付つける通訳トレーニングとして、
1)シャドーイング、
2)リテンション・レペティション、
3)クイック・トランスレーション、
4)パラフレージング
などの方法があり、
日本語学習に応用できるお話を聞かせていただいた。


シャドーイングは初級以上の学習者に利用でき、
音声を聞きながら追いかけるように発話するシャドーイングは、
イントネーションやピッチを自然にするのに効果的であり、
また、音声を聞いた3秒ほど後で発話するシャドーイングは、
まとまりのある文を構築する文法力も必要になるため、
話しているのと近い状況になる訓練であることを教わった。
  
 リテンション・レペティションは、一文全部を聞いてから
リピートする方法であるが、初級以上の学習者に利用でき、
これをメモを取りながら行えば、大学の講義を受けている間に
ノートを取るのと同じような訓練にもなることを教わった。

 また、クイック・トランスレーションは、単語を聞いて
すぐ通訳する方法であるが、中級・上級以上の段階で
専門的な語彙を即座に母語あるいは目標言語に
変換するような語彙練習に利用できることを教わった。
 
 パラフレージングでは、文章の要旨をまとめる訓練であるが、
中級・上級以上の段階で利用でき、口頭で一気に
内容をまとめたり、アウトラインをヒントに
内容をまとめたり、質問に答える形で
内容をまとめたりなど、中級以上の精読授業で
発話機会が少なくなる際の、ペアや独話で発話を促進させることに
利用できることを教わった。



後半は、上記の方法について、実際に参加者も
各種シャドーイングを体験してみたり、
シャドーイングをしながら数字を1,2,3,4,5…と書くなどの
マルチタスク練習を行ってみたり、文章の内容を、
ペアで相手の質問に応答しながら口頭で
まとめる作業を行ってみたりと、
訓練の一部を実際に行いながら、通訳技能について楽しく学んだ。

4.事務局連絡など

参加者:28


第106回 勉強会報告


以下の内容で勉強会を行いました。

1.司会挨拶、参加者自己紹介

2.髙城先生による発表、実演
テーマ:「スピーチ指導について」
発表者:髙城 眞純(吉林華橋外国語学院)

①腹式呼吸、気功体操
 
まず、立った状態での腹式呼吸の実践、練習を行った。
(初心者は、右手を胸に、左手を腹に置いた方が分かりやすいが、)
胸、肩は動かさずに、腹筋を使って呼吸するように留意する。呼吸を
行う時は、遠くの空気を鼻から息を吸い、口から糸を吐くように息を
ゆっくり細く吐き出す(息を吸う時間:息を吐く時間=1:2になるような
感覚で行う)事を心掛ける。
 
腹式呼吸の呼吸法を練習した後、気功体操の実践を行った。
最初に、回春法を行うことによって、気を作り出し、良い気を取り入れ、
全身の筋肉をリラックスさせた。次に、霊動術を行うことによって、
身体の中の気を、自然からの良い気に交換した。最後に、気脈に
沿って軽く全身を叩き、体内の気を目覚めさ、気功体操の実践を
終わらせた。

②発声をするための身体づくり
 
呼吸法を学び、気功体操で身体をリラックスさせた後、
つま先立ち歩行による50音の発声練習を行った。つま先立ちで
歩行することによって、インナーマッスル、腹筋を鍛え、美しい姿勢で
発声できるようになってくる。また、歩行に合わせて発生することにより、
「日本語にはリズムがある」と言うことが体験的に理解でき、リズム感も
付く。

③発声練習
 
ピアニカを用いて、「あ」の音でレガートやスタッカートの発声練習を
行い、腹筋の使い方を練習させ、自分でも大きな声や高い声を出せる
ことを実感させる。また、小さい声から大きい声、大きい声から
小さい声となるように「あ――」と発音し、声の強弱をつける練習を
行う。この練習を行うことによって、スピーチや朗読の際に、表現力が
豊かになる。
 
前回の勉強会でも発表した「a i a u」で子音と母音の練習、
「かこ かっこ かぁこ かこぉ かっこぉ」で促音と長音の発声練習を行う。
徐々に速度を速めながら行うことによって、学生の滑舌を良くする。
さらに、早口言葉を練習させることにより、日本語のリズム感を定着させる。


④スピーチ指導
 
滑舌、モーラ、アクセントなどに注意して、発音の指導を行っていく。
アクセントを指導する場合は、親指と人差し指で隙間を作り、日本語の
アクセントの高低を視覚化して指導を行っている。また、文節、文章の
意味ごとで区切るアーティキュレーションや、表現力をつけるために
場面を想像させたり、声色、音量を変えたりする指導も行っていく。
聞きやすい声、聞き手のことを考えた表現などを意識させるために、
童話や詩の朗読を用いて練習させている。
 
また、スピーチクラブでは、スピーチ原稿を宿題にすると、次回の
出席者が減ってしまうため、その場で内容を考えさせて発表させるように
努めている。

⑤質疑応答
Q1.促音の指導は、具体的にどのように行っているのか。
A1.歩く、手拍子、机を左右の手で交互に叩くなどリズムを取りながら、
  促音を指導している。わざと、学生がやりがちな間違いをやることに
  よって、聴覚的だけではなく視覚的にも学生の間違いへの気付きを
  促すようにしている。

Q2.「見って」、「来って」などのような誤用に対しては、どのような指導を
  しているのか。
A2.黒板に「見て」、「来て」と書いて、「こう書くのに、発音する時に
  『見って』となるのは変でしょう」と言う感じで指導をしたり、動詞の
  活用の歌を歌ったり、最初に戻って指導していく。
  また、どのクラスでも初回の授業にアンケートを取り、「学生が不安に
  感じる文法事項」を10-15分ずつくらい4-5回の授業で行うことで、
  学生の不安を取り除くように努めている。

Q3.拗音の指導は、具体的にどのように行っているのか。
A3.手拍子で「きや」ではなく、「きゃ」と発音することを視覚化して
  教えている。「きょう」などの長音も手の動きなどを使って視覚化して
  指導している。

Q4.南方出身の学生で、「年齢」を「なんれい」と発音する学生が
  多いのだが、どのように指導をしているのか。
A4.(金先生の回答)言語学的に「n」と「l」は発音し始める時の舌の
  位置が同じため、このような発音の間違いが起こるものと
  考えられる。簡単に区別する方法は、軽く鼻をつまみながら、
  「な」と「ら」を発音すると音の違いが分かる。「な」と発音した
  ときには、鼻に軽い違和感(金先生は「少し苦しい感じ」と表現)を
  感じるが、「ら」と発音したときには、何も感じない。舌の動きの
  違いによって、このような違いが生まれ、簡単に区別することが
  出来る。

Q5.体操は何人まで一緒に行うことが出来るのか。
A5.基本的に、初回の授業の時は、どのクラスでも全員行っている。
  発声練習は、毎回の授業、スピーチクラブで行っている。
  「a i a u」の発音練習は、アナウンサーの発音練習から取り入れた
  ものである。

Q6.表現力をつけさせるための指導は、個別指導を行うのか。
A6.クラス全体で「どのように表現したらいいか」などを考えさせて、
  実際に髙城先生が実演し、学生にまねをさせる所から始めて
  いるので、特に個別指導を行っているわけではない。
  自分(髙城先生)が朗読した録音(遅めのものと通常の速度のもの)を
  渡し、練習してこさせると言う方法も取っている。

Q7.大阪のテレビで、表現力をつけるために、数字を言う時に感情を
  声や身体の動作で表すという研究が紹介されたのだが、これも
  役に立つのではないか。
A7.確かに、面白い方法だと思う。自分は、やはり学生は歌を歌うのが
  好きな学生が多いので、ディズニー映画を動画として持って来た。
  作中に出てくる歌を、まずは聞かせ、次に歌詞を聞き取りで書かせ、
  内容を理解した後に歌わせている。歌えるようになったら、
  無音動画を見て、歌詞とその表情が一致していることをわからせ、
  表現の仕方を学ばせる。

3.事務局連絡、来月の勉強会の予定など

参加人数;22

以上

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