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長春日本人教師会

長春にて日本語講師をしている日本人教師による勉強会や活動予定、活動報告などを記載していくブログです。 長春日本人教師会のホームページ→http://www.geocities.jp/changchun_jpt/index.html

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第106回 勉強会報告


以下の内容で勉強会を行いました。

1.司会挨拶、参加者自己紹介

2.髙城先生による発表、実演
テーマ:「スピーチ指導について」
発表者:髙城 眞純(吉林華橋外国語学院)

①腹式呼吸、気功体操
 
まず、立った状態での腹式呼吸の実践、練習を行った。
(初心者は、右手を胸に、左手を腹に置いた方が分かりやすいが、)
胸、肩は動かさずに、腹筋を使って呼吸するように留意する。呼吸を
行う時は、遠くの空気を鼻から息を吸い、口から糸を吐くように息を
ゆっくり細く吐き出す(息を吸う時間:息を吐く時間=1:2になるような
感覚で行う)事を心掛ける。
 
腹式呼吸の呼吸法を練習した後、気功体操の実践を行った。
最初に、回春法を行うことによって、気を作り出し、良い気を取り入れ、
全身の筋肉をリラックスさせた。次に、霊動術を行うことによって、
身体の中の気を、自然からの良い気に交換した。最後に、気脈に
沿って軽く全身を叩き、体内の気を目覚めさ、気功体操の実践を
終わらせた。

②発声をするための身体づくり
 
呼吸法を学び、気功体操で身体をリラックスさせた後、
つま先立ち歩行による50音の発声練習を行った。つま先立ちで
歩行することによって、インナーマッスル、腹筋を鍛え、美しい姿勢で
発声できるようになってくる。また、歩行に合わせて発生することにより、
「日本語にはリズムがある」と言うことが体験的に理解でき、リズム感も
付く。

③発声練習
 
ピアニカを用いて、「あ」の音でレガートやスタッカートの発声練習を
行い、腹筋の使い方を練習させ、自分でも大きな声や高い声を出せる
ことを実感させる。また、小さい声から大きい声、大きい声から
小さい声となるように「あ――」と発音し、声の強弱をつける練習を
行う。この練習を行うことによって、スピーチや朗読の際に、表現力が
豊かになる。
 
前回の勉強会でも発表した「a i a u」で子音と母音の練習、
「かこ かっこ かぁこ かこぉ かっこぉ」で促音と長音の発声練習を行う。
徐々に速度を速めながら行うことによって、学生の滑舌を良くする。
さらに、早口言葉を練習させることにより、日本語のリズム感を定着させる。


④スピーチ指導
 
滑舌、モーラ、アクセントなどに注意して、発音の指導を行っていく。
アクセントを指導する場合は、親指と人差し指で隙間を作り、日本語の
アクセントの高低を視覚化して指導を行っている。また、文節、文章の
意味ごとで区切るアーティキュレーションや、表現力をつけるために
場面を想像させたり、声色、音量を変えたりする指導も行っていく。
聞きやすい声、聞き手のことを考えた表現などを意識させるために、
童話や詩の朗読を用いて練習させている。
 
また、スピーチクラブでは、スピーチ原稿を宿題にすると、次回の
出席者が減ってしまうため、その場で内容を考えさせて発表させるように
努めている。

⑤質疑応答
Q1.促音の指導は、具体的にどのように行っているのか。
A1.歩く、手拍子、机を左右の手で交互に叩くなどリズムを取りながら、
  促音を指導している。わざと、学生がやりがちな間違いをやることに
  よって、聴覚的だけではなく視覚的にも学生の間違いへの気付きを
  促すようにしている。

Q2.「見って」、「来って」などのような誤用に対しては、どのような指導を
  しているのか。
A2.黒板に「見て」、「来て」と書いて、「こう書くのに、発音する時に
  『見って』となるのは変でしょう」と言う感じで指導をしたり、動詞の
  活用の歌を歌ったり、最初に戻って指導していく。
  また、どのクラスでも初回の授業にアンケートを取り、「学生が不安に
  感じる文法事項」を10-15分ずつくらい4-5回の授業で行うことで、
  学生の不安を取り除くように努めている。

Q3.拗音の指導は、具体的にどのように行っているのか。
A3.手拍子で「きや」ではなく、「きゃ」と発音することを視覚化して
  教えている。「きょう」などの長音も手の動きなどを使って視覚化して
  指導している。

Q4.南方出身の学生で、「年齢」を「なんれい」と発音する学生が
  多いのだが、どのように指導をしているのか。
A4.(金先生の回答)言語学的に「n」と「l」は発音し始める時の舌の
  位置が同じため、このような発音の間違いが起こるものと
  考えられる。簡単に区別する方法は、軽く鼻をつまみながら、
  「な」と「ら」を発音すると音の違いが分かる。「な」と発音した
  ときには、鼻に軽い違和感(金先生は「少し苦しい感じ」と表現)を
  感じるが、「ら」と発音したときには、何も感じない。舌の動きの
  違いによって、このような違いが生まれ、簡単に区別することが
  出来る。

Q5.体操は何人まで一緒に行うことが出来るのか。
A5.基本的に、初回の授業の時は、どのクラスでも全員行っている。
  発声練習は、毎回の授業、スピーチクラブで行っている。
  「a i a u」の発音練習は、アナウンサーの発音練習から取り入れた
  ものである。

Q6.表現力をつけさせるための指導は、個別指導を行うのか。
A6.クラス全体で「どのように表現したらいいか」などを考えさせて、
  実際に髙城先生が実演し、学生にまねをさせる所から始めて
  いるので、特に個別指導を行っているわけではない。
  自分(髙城先生)が朗読した録音(遅めのものと通常の速度のもの)を
  渡し、練習してこさせると言う方法も取っている。

Q7.大阪のテレビで、表現力をつけるために、数字を言う時に感情を
  声や身体の動作で表すという研究が紹介されたのだが、これも
  役に立つのではないか。
A7.確かに、面白い方法だと思う。自分は、やはり学生は歌を歌うのが
  好きな学生が多いので、ディズニー映画を動画として持って来た。
  作中に出てくる歌を、まずは聞かせ、次に歌詞を聞き取りで書かせ、
  内容を理解した後に歌わせている。歌えるようになったら、
  無音動画を見て、歌詞とその表情が一致していることをわからせ、
  表現の仕方を学ばせる。

3.事務局連絡、来月の勉強会の予定など

参加人数;22

以上

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